冷水の涼味 札幌岳登山

こんにちは。天気のいい休日には札幌近郊の山々をプラプラしているサツプラです。天気がとても良いという予報でしたので札幌50峰の中からまだ登っていない札幌岳を選択。その時の夏山登山記です。(2020年8月 晴れ)
お山の紹介
札幌50峰、北海道100名山の一つ札幌岳。
札幌岳(さっぽろだけ)は支笏洞爺国立公園内に含まれ、札幌市南区にある標高1,293mの火山のお山です。
山の名は、豊平川の水源であることに由来。札幌市内を流れる豊平川は明治以前はサッ・ポロ・ペツ(アイヌ語で「渇いた大きな川」の意)と呼ばれていた。サッ・ポロ・ペツは札幌市の地名語源でもあるそうです。(ヤマレコより)
その山容は札幌市内からは高いビルや豊平川の河川敷など広い場所から空沼岳との縦走ラインと共に望むことができ、国道230号線、中山峠から札幌に向かう車窓からはその反対の姿を望むことができます。

道中に冷水小屋と呼ばれる山小屋があり、この横の鉄管から出る水で涼を楽しむことができるので休日には50台ほど止まれそうな駐車場が満車どころか溢れているほどの人気の高いお山。沢歩きとして楽しむ方もいるようです。
1200mを超える高山でありながらも、緩勾配の箇所が多く、気になる急登は冷水小屋から先30分ほど。ここで高度を稼ぎ、稜線についてしまえば高く茂った笹が気になるものの楽な散策となりました。
札幌岳の主な登山コースは2箇所
- 冷水沢コース 標高差858m
- 豊滝コース 標高差904m
札幌市街地から近いのは豊滝コースですが、初登ということで先ずは人気の高い冷水沢登山口からのアタックしました。
登山概要
札幌岳 冷水沢登山口~山頂ルート
往復距離 約11㎞ | |
標高差 約860m | |
山行時間 約5時間00分(登り2時間40分、下り2時間20分) |
登山準備
約半日の行程です。装備は登山仕様で。登山靴と水分、行動食、常備薬。
札幌市内に熊出没が相次います。本稿作成次点では札幌岳の麓、豊平川沿いで親子熊の目撃情報。私自体は危険を感じませんでしたが早朝入山の方より気配有りとの情報も。念のため人の多い時間帯で計画した方がいいです。熊鈴は私はもちろん、出会ったほとんどの方が装備してました。
気温によりますが、夏山登山の際はつりとめの薬はあったほうがいいと思います。
ただし、くすりで痙攣は一旦収まりますが、熱中症の初期状況であることには変わりないので、汗が引くまでは休憩。
(水分をとっても吸収が発汗に勝ってないと悪化するので)
ツルハとかドラックストアで普通に売っているので1箱買っておいて、リュックの常備薬に入れておくと便利です。暑い時期はスポーツドリンクとか経口補水液など吸収の早いものを選んで購入することが多いです。
小さな虫も気になりましたので、虫よけも忘れずにリュックに入れておきたいです。
快晴であれば羊蹄山や恵庭岳の眺望が楽しめます。せっかく行くのですから少しでも天気はいい方が嬉しいです。お天気チェック必要な方向けにtenki.jpの札幌市南区の天気予報リンク。
アクセス
■自家用車
国道230号線(通称 「石山通り」)を札幌から走り定山渓を抜けると豊平峡温泉の看板がでてきます。ここを温泉方向に曲がり道なりに豊平峡ダムに向かって走ると、札幌岳登山口の看板がでで来ます。かなり広めの駐車場ですが、お昼に下山してきた時には満車であふれてしまってました。
カーナビセット
◆豊平峡ダム
グーグルマップで見たい方、下画面右上の「ルート」クリックし出発地を右クリックすると必要なルート案内できます。
■公共交通手段
最寄のバス定は豊平峡温泉になります。バス停から2.4km、徒歩で約40分ほど登山口までかかりますが、便数は少ないものの、登山と温泉、食事とセットで楽しんでいたヤマレコ情報もありますので公共交通手段の方でもオススメさせてもらいます。
札幌駅から石山通りを南下するバス路線でアクセスできます。「快速7」のほかかっぱライナー号も利用できます。
登山口~山頂
札幌岳冷水沢登山口の駐車場に駐車。
朝7時前に到着、すでに先客数台。初登のソロ登山でも不安感は無し、本日も楽しめそうだ。先ずは登山ポストで入山時間を記帳。

駐車場奥の徒歩道から入ります。管理用の林道があり間違えてそちらから行く方もいるそうです。どちらでも登山口に到達しますがかなり遠回りになります。道幅は狭いものの、ここはショートカットの徒歩道を使用しました。
倒木があったものの全般的になだらかな散策道路。

5分ほど進むと石仏。遭難した学生を慰霊するために大正時代に建てられ、昭和45年頃の豊平峡ダムの建設とともに現在地に移されたそです。
現在は残念ながら石仏に刻まれていた文字を読み取ることはできません。

広葉樹の森をしばし散策。

いったん森の様子が変わりました。カラマツの植林地帯です。どこか寂し気な登山道も個人的には問題ないです。

冷水小屋まではこの冷水沢川の渡渉を繰り返しながら進みます。第一渡渉は安定感もあり楽々。

澄んだ小川の音を聞きながら進みます。

2つめの橋は滑りやすいので、不安な方はこのすぐ上に浅瀬がありますのでそちらのほうが楽かも。


小さい滝も有りました。

約40分ほど散策していると林道と合流します。平日は工事用車両が通行している旨の表示ありました。

こっからが札幌岳登山道となります。


登山道に入っても冷水小屋まではしばし平坦な登り。8月のこの時期はエゾアジサイだらけ。登山道の両脇にエゾアジサイ。

川向かいの斜面にエゾアジサイの群生


冷水小屋。現在は2代目とのことで昭和27年に建築されました。北海学園大学の所有する山小屋の一つです。
本日は管理人不在日でした。小屋の横の鉄管からでる水が多くの登山客に涼を与えていました。
登山ガイドによると飲用は大腸菌検出により不可となっていますが、山レコでは管理人さんからのお話で可能になったとする情報もありました。念のため手洗い程度で、先を急ぎます。
冷水小屋の開館スケジュールと宿泊希望の場合の連絡先
1.冷水小屋利用期間
- 12月31日~1月3日
- 1月4日~10月31日の第1・第3土日のみ。(祝日の開館は無し)
2.連絡先
「北海道学園大学 学生部」代表011-841-1161

冷水小屋を超えてからが本格的な登山。急登で一気に高度を上げます。30分ほどの稜線に着くまでの踏ん張りどころ。泥濘もあります。




山頂に到着。羊蹄山は今回ないものの恵庭岳や無意根山、余市岳くらいまでは見えました。

切れ目が入り風化の進む石鎚神社の碑。自然石に彫られておりかつての山岳信仰の名残と推測されます。




手軽なお山でお気に入りになりました。

札幌岳 8月の花
なんといってもこの時期はエゾアジサイ。登山口から冷水小屋まではアジサイロードでした。艶やかな青ですが良く見ると変わった色も発見。
エゾアジサイはユキノシタ科、高さ1~1.5mの落葉低木。根本の幹から何本もの茎が出て株立ちとなっています。
葉は対生し、葉身はは長さ10~15㎝の卵状の楕円形で先が細くとがり荒い鋸歯状での緑色です。
7月~8月の花で、他の山でも散見しましたが、ここまでの群生はここだけ。





登山中はあまり花はありませんでしたが山頂付近では数種類確認できました。
キク科のシロバナニガナ。広義のニガナの中で最も目にする多年草です。ハナニガナの中で舌状花の白いものはシロバナニガナと言います。

同じような区域で散見された同じくキク科、ハナニガナの変種タカネニバナ。7~8月のお花です。

サワオトギリはオトギリソウ科。7~8月の間は可愛らしい1㎝前後の黄色の花弁が楽しめますが、秋になると葉の紅葉も楽しめます。

アキノキリンソウ。1頭花が17以下の小花からなるキク科の花。8月~10月。

艶やかな黄色が登山道で映えるバラ科の金水引(キンミズヒキ)。藻岩山など札幌市内の登山道で見受けられます。7~9月のお花。

山麓部にはヒメジョオンが散見されました。

アフター登山情報
なんといっても豊平峡温泉。
効能豊な天然温泉に自慢のインドカレー、ジンギスカンやお蕎麦もあります。

効能豊かな名湯と名物カレー、定山渓の二刀流、豊平峡温泉の記事はこちら。

